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カスタマーレビュー
おすすめ度:
内容は 豊富だけれど 疑問あり
(2010-02-25)
1.内容
大多数の人は、日常的にお肉を食べているだろう。しかし、それには、動物を殺し、解体する作業を必要とする。それにもかかわらず、食肉に携わる人々は、いわれなき差別を受けている(殺生戒、部落差別、権力側の助長などの原因が重なる)。このような差別をなくすためには、実際に食肉加工の段階を見るべきである。というわけで、著者が、日本各地、あらゆる過程の現場を報告した本である。熟練、誇り、声と、そこで働いている労働者に深い愛情を寄せて書かれている。
2.評価
食肉加工の実際、なぜ差別が生じたのか、日本人と肉食について(以前から肉食していた)、など、食肉加工にまつわることがよくわかる本である。ただ、ところどころに出てくる著者らしさには同意しかねるところがある。差別と闘うという趣旨で労働運動を出すのはいいが、一般的な労働闘争がこの本に必要だったのだろうか?賃金は公務員のほうがよいとしても、民営化はあまり良くないのか?技術の継承や食糧自給は大事とは思うが、われわれが幸福になるためにはそれでよいのか(比較優位なほうに集中すべきというのが、私の理解の限りでは経済学の基本である。もっとも、経済学に関しては素人だが)?といった疑問も持った。以上、食肉加工、差別、肉食の歴史などを知ることが出来る点で星5つ、疑問点で星1つ減らして、星4つ。
屠場という職場
(2009-01-25)
食卓に並ぶ肉料理、牛も豚もみな当たり前のことだが、生まれながらにしてあのような「食料」
という形をしていたわけではない。皆全て、人による労働の所産であり、そこには生命の死と
いうものが不可避的に発生する。
ところが、我々の意識下では、あたかも放牧されている牛や豚が製品となった姿へダイレクト
に結びついているかのような、あたかも中の見えないトンネルを通りそこから出てくるときに
はあのような肉製品という異形になっているかのような感覚がある。僕らの社会には、その中
間のプロセスの部分と、そこで働く人々への視線が、決定的に欠落しているのだ。
本書は、そのタイトルがど真ん中直球で示すとおり、これまであたかも社会の「暗部」がごと
く扱われてきた屠場の歴史と現状、そしてそこで働く人々の悲喜こもごもをおったドキュメン
トだ。
この本が明かすのは、戦前戦後と「職業に貴賎はない」という言葉が全くの嘘八百であったこ
ということ、食肉解体とそれを職業とする人々への差別意識と差別的な待遇、そしてそれと同
時に、というかそのような外からの冷遇があった故に生まれた労働者同士の連帯感である。動
物の解体にも、やはり独特の技術があるらしく、まさに「学ぶのではなく盗め」というベテラ
ンから若手への業の伝承が行われる技術集団、ギルド的な集団が形成されているのである。
昨年からの世界的不況は、例外なく日本の工場労働者をも襲った。彼らにとっての決定的な痛
手は、雇用の流動化という世相の流れによって、この苦難を乗り切るための横のつながりがな
いことだろう。屠場には、他の職場では失われたそのような労働者同士の横の連帯感と、自分
たちの仕事への誇りが、未だ息づいている。
屠場労働という職業を差別することはもってのほか。しかしその反対に、「僕らの代わりに汚れた
仕事を・・・」と、彼らに負い目を感じるのも、同じくらい失礼なことだろう。
この本を読んでわかるのは、彼らが彼らの仕事にプライドを持っているということなのだから。
いまだに心無い偏見の残る世界
(2007-07-22)
禁句とも言われる屠場、そして差別され卑しい目で見られる屠場
でも、もし誇り高い彼らがいなければ私たちの食卓には
「おいしい肉」は並ばないと言うこと…
私は以前に屠場を見学したことがあるので
そういった類の偏見は持ってはいません。
しかし、いまだなお特に西のほうで卑しい偏見の目があることは
恥ずべきことだと思います。
内容も食卓に並ぶ前の工程もきちんと記録されていますし、
現場の人の声も取り入れているのでとてもよいです。
長い間心に残る本
(2006-12-24)
この本を読むまで食肉の屠場について考えたこともなかった。
何気なく読んだこの本で私は屠場にとても興味を持ち出した
何年も前に読んだ本なのに、今だこの本に書かれていることは、私の心に焼き付いている
食肉を消費する人なら誰しも知らなければいけないことなのにと
実感させられ、また屠場で誇りを持って働いている人たちに魅了された
知られざる世界
(2005-12-18)
技術の進歩とはうらはらに、およそ近代的とはいえないシステムによって続けられてきた食肉処理。こうした本がもっと出ることによって差別も逆差別もなくなっていくだろうにと思う。
おすすめ度:
内容は 豊富だけれど 疑問あり
1.内容
大多数の人は、日常的にお肉を食べているだろう。しかし、それには、動物を殺し、解体する作業を必要とする。それにもかかわらず、食肉に携わる人々は、いわれなき差別を受けている(殺生戒、部落差別、権力側の助長などの原因が重なる)。このような差別をなくすためには、実際に食肉加工の段階を見るべきである。というわけで、著者が、日本各地、あらゆる過程の現場を報告した本である。熟練、誇り、声と、そこで働いている労働者に深い愛情を寄せて書かれている。
2.評価
食肉加工の実際、なぜ差別が生じたのか、日本人と肉食について(以前から肉食していた)、など、食肉加工にまつわることがよくわかる本である。ただ、ところどころに出てくる著者らしさには同意しかねるところがある。差別と闘うという趣旨で労働運動を出すのはいいが、一般的な労働闘争がこの本に必要だったのだろうか?賃金は公務員のほうがよいとしても、民営化はあまり良くないのか?技術の継承や食糧自給は大事とは思うが、われわれが幸福になるためにはそれでよいのか(比較優位なほうに集中すべきというのが、私の理解の限りでは経済学の基本である。もっとも、経済学に関しては素人だが)?といった疑問も持った。以上、食肉加工、差別、肉食の歴史などを知ることが出来る点で星5つ、疑問点で星1つ減らして、星4つ。
屠場という職場
食卓に並ぶ肉料理、牛も豚もみな当たり前のことだが、生まれながらにしてあのような「食料」
という形をしていたわけではない。皆全て、人による労働の所産であり、そこには生命の死と
いうものが不可避的に発生する。
ところが、我々の意識下では、あたかも放牧されている牛や豚が製品となった姿へダイレクト
に結びついているかのような、あたかも中の見えないトンネルを通りそこから出てくるときに
はあのような肉製品という異形になっているかのような感覚がある。僕らの社会には、その中
間のプロセスの部分と、そこで働く人々への視線が、決定的に欠落しているのだ。
本書は、そのタイトルがど真ん中直球で示すとおり、これまであたかも社会の「暗部」がごと
く扱われてきた屠場の歴史と現状、そしてそこで働く人々の悲喜こもごもをおったドキュメン
トだ。
この本が明かすのは、戦前戦後と「職業に貴賎はない」という言葉が全くの嘘八百であったこ
ということ、食肉解体とそれを職業とする人々への差別意識と差別的な待遇、そしてそれと同
時に、というかそのような外からの冷遇があった故に生まれた労働者同士の連帯感である。動
物の解体にも、やはり独特の技術があるらしく、まさに「学ぶのではなく盗め」というベテラ
ンから若手への業の伝承が行われる技術集団、ギルド的な集団が形成されているのである。
昨年からの世界的不況は、例外なく日本の工場労働者をも襲った。彼らにとっての決定的な痛
手は、雇用の流動化という世相の流れによって、この苦難を乗り切るための横のつながりがな
いことだろう。屠場には、他の職場では失われたそのような労働者同士の横の連帯感と、自分
たちの仕事への誇りが、未だ息づいている。
屠場労働という職業を差別することはもってのほか。しかしその反対に、「僕らの代わりに汚れた
仕事を・・・」と、彼らに負い目を感じるのも、同じくらい失礼なことだろう。
この本を読んでわかるのは、彼らが彼らの仕事にプライドを持っているということなのだから。
いまだに心無い偏見の残る世界
禁句とも言われる屠場、そして差別され卑しい目で見られる屠場
でも、もし誇り高い彼らがいなければ私たちの食卓には
「おいしい肉」は並ばないと言うこと…
私は以前に屠場を見学したことがあるので
そういった類の偏見は持ってはいません。
しかし、いまだなお特に西のほうで卑しい偏見の目があることは
恥ずべきことだと思います。
内容も食卓に並ぶ前の工程もきちんと記録されていますし、
現場の人の声も取り入れているのでとてもよいです。
長い間心に残る本
この本を読むまで食肉の屠場について考えたこともなかった。
何気なく読んだこの本で私は屠場にとても興味を持ち出した
何年も前に読んだ本なのに、今だこの本に書かれていることは、私の心に焼き付いている
食肉を消費する人なら誰しも知らなければいけないことなのにと
実感させられ、また屠場で誇りを持って働いている人たちに魅了された
知られざる世界
技術の進歩とはうらはらに、およそ近代的とはいえないシステムによって続けられてきた食肉処理。こうした本がもっと出ることによって差別も逆差別もなくなっていくだろうにと思う。


