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カスタマーレビュー
おすすめ度:
生きることの心がかり
(2009-07-18)
これほど緊張感を持って読める本は少ないです。
生きる、生き抜くということ、
そしてその手(心)がかりについて深く考えさせられます。
母親がいないということだけでも相当につらいことなのに、
出生に関する、子供には理解できない他者との違いを認識させられ、
自己を支えている基盤がそれにより崩れ去りそうになる恐怖にさらされ、
さらにそんな子供の自分の心情を理解してはいない父、、
そしてあの戦前戦後の厳しい時代です。
自分なら数回ドロップアウトしてそうな人生において
ルサンチマン的心情に取り込まれることなく、
優しさについて、人生について、人間について深い考察を
提示してくれる著者には感謝したいと思いました。
人間的、母性的な愛を欲していた(無意識にか、本能的にか)著者が、
少しでも他者からその温度を感じたときの考察、
特に恩師とのエピソードは感動的に伝わってきた。
我々であればそこまで深く感じないことも、作者は
深く捉えて、そこに生きることの手がかりというか、心がかりを
見つけようとして、そこに入り込みたいという想いが自分には感じ取れた。
この本のことを思い出すと自分がとんだ甘ちゃんだ
ということを思い出させられる。
しかもこの本を出された後にお子さんも無くされて、、
何という人生という名の苦行だろうと思ってしまいます。
読むことの意味
(2008-08-21)
年に何冊かは、良書にめぐりあう。
この本は、紛れもなくそんな本だ。
いろんなところで紹介されていて、
ある意味、評判の本でもある。
この本を読めば、やり場のない怒りを、悲しみを、空虚感を
感じる心を養うことができる。
読むことの意味は大きい本である。
高史明と対峙しないといけない凄い書。
(2007-06-03)
1974年刊行されて以来、何回も読んだ。
著者が日本国が敗戦後、30年経過したと「むすび」で述べている。まだ、彼は40代である。若々しい。
私は、「朝鮮人という意識へのめざめ」の章の「参観日に来てくれた父」のところ、「坂井先生との出会い」の章でいつも泣いていた。
父が彼の授業参観日に来て探し出し、目が会うとにっこり笑ってサッサと去っていく場面。
そして、坂井先生との出会いと永遠の別れ。
敗戦直後の彼の姿。
著者は、「やさしさ」をひたすら我らに求める。難しい課題である。
年齢を経て、幼年から少年時代を思い出し、自己に対して優しかった人たちのことを改めて位置づける作業を執拗に行ってきた著者の姿は求道者 そのモノ。
この文庫版には、解説者として鶴見俊輔氏をえた。
その後の著者の生き方に対して「やさしい」人をえていることを考えると、この書は、まるごと読んでおかないといけないと思ってしまう。
はじめに・本文・むすび・解説と。
一気に読んだ
(2005-10-12)
図書館司書の方に薦められるまで、私は高史明という名前を知りませんでした。在日として主張を続けようとした矢先にひとり息子の自死にあったことが、彼を光の当たる場所から、暗いところへと再び帰らせてしまったのだろうと考えてしまいました。
生きるとは
(2005-06-29)
自分にとって大切な本があまりにも低い評価だったので、たまらずに書きました。人生について書かれた本はたくさん読んできたのですが、この本は自分にとってはとても大切な本のひとつです。
ひとりの人間が「人生」というあまりにも漠然とした、しかし最も重い命題に対していったい何が書けるというのだろうか?それぞれの人生を歩む上で得てきた自分なりのものを真摯に示し、そこで自分はどう思うのか、そして読者はどうかと問いかける。これ以外にどう書けるというのだろうか。具体的なことを示し抽象的なことを問う、これが人生を語る上での良書の要素ではないかと思います。この本はそういう意味で良書です。人は望む望まないにかかわらず生まれてきた、という不条理を皆平等に抱えて生きています。日本に生まれ育った日本人には想像もつかない不条理を背負い、生き抜かねばならない少年の育っていく姿、そしてそれに絡んでくる人たちの姿をみて自分なりに多くを学んだ気がします。
「生きることの意味」という題名をつけるとき、著者はひどく迷ったのではないかと想像します。朴直すぎてあまりにもわざとらしいから。ですが、生きることに悩む人たちにとっては直球で心にぶつかったくるはずです。星の数に惑わされず気になったらぜひ読んで下さい。読んでみて全然心に響かなかったらそれはそれでいいじゃないですか。それが読書なのですから。
おすすめ度:
生きることの心がかり
これほど緊張感を持って読める本は少ないです。
生きる、生き抜くということ、
そしてその手(心)がかりについて深く考えさせられます。
母親がいないということだけでも相当につらいことなのに、
出生に関する、子供には理解できない他者との違いを認識させられ、
自己を支えている基盤がそれにより崩れ去りそうになる恐怖にさらされ、
さらにそんな子供の自分の心情を理解してはいない父、、
そしてあの戦前戦後の厳しい時代です。
自分なら数回ドロップアウトしてそうな人生において
ルサンチマン的心情に取り込まれることなく、
優しさについて、人生について、人間について深い考察を
提示してくれる著者には感謝したいと思いました。
人間的、母性的な愛を欲していた(無意識にか、本能的にか)著者が、
少しでも他者からその温度を感じたときの考察、
特に恩師とのエピソードは感動的に伝わってきた。
我々であればそこまで深く感じないことも、作者は
深く捉えて、そこに生きることの手がかりというか、心がかりを
見つけようとして、そこに入り込みたいという想いが自分には感じ取れた。
この本のことを思い出すと自分がとんだ甘ちゃんだ
ということを思い出させられる。
しかもこの本を出された後にお子さんも無くされて、、
何という人生という名の苦行だろうと思ってしまいます。
読むことの意味
年に何冊かは、良書にめぐりあう。
この本は、紛れもなくそんな本だ。
いろんなところで紹介されていて、
ある意味、評判の本でもある。
この本を読めば、やり場のない怒りを、悲しみを、空虚感を
感じる心を養うことができる。
読むことの意味は大きい本である。
高史明と対峙しないといけない凄い書。
1974年刊行されて以来、何回も読んだ。
著者が日本国が敗戦後、30年経過したと「むすび」で述べている。まだ、彼は40代である。若々しい。
私は、「朝鮮人という意識へのめざめ」の章の「参観日に来てくれた父」のところ、「坂井先生との出会い」の章でいつも泣いていた。
父が彼の授業参観日に来て探し出し、目が会うとにっこり笑ってサッサと去っていく場面。
そして、坂井先生との出会いと永遠の別れ。
敗戦直後の彼の姿。
著者は、「やさしさ」をひたすら我らに求める。難しい課題である。
年齢を経て、幼年から少年時代を思い出し、自己に対して優しかった人たちのことを改めて位置づける作業を執拗に行ってきた著者の姿は求道者 そのモノ。
この文庫版には、解説者として鶴見俊輔氏をえた。
その後の著者の生き方に対して「やさしい」人をえていることを考えると、この書は、まるごと読んでおかないといけないと思ってしまう。
はじめに・本文・むすび・解説と。
一気に読んだ
図書館司書の方に薦められるまで、私は高史明という名前を知りませんでした。在日として主張を続けようとした矢先にひとり息子の自死にあったことが、彼を光の当たる場所から、暗いところへと再び帰らせてしまったのだろうと考えてしまいました。
彼の少年時代は、おそらく戦後の日本人の多くとおなじような貧しさであっただろう、というレビューを読みましたが、やはり日本人以外への差別は根深いし、金天三少年が心に負った傷は否定されるべきではないと思います。
海外旅行で、うめぼしを現地の人に薦めて、吐き出されてしまった経験のある日本人は多いと思います。わたしにとっては貴重なものなのに、と怒る人もいるでしょう。そうした経験が、恒常的に学校というコミュニティのなかで繰り広げられたわけです(作中、にんにくくさいといわれています)。しかもそれは、仕事に疲れた父親が弁当に入れてくれる漬物です。泣けてきます。
近頃のヒネた子供に読ませたい本ナンバーワンです。
生きるとは
自分にとって大切な本があまりにも低い評価だったので、たまらずに書きました。人生について書かれた本はたくさん読んできたのですが、この本は自分にとってはとても大切な本のひとつです。
ひとりの人間が「人生」というあまりにも漠然とした、しかし最も重い命題に対していったい何が書けるというのだろうか?それぞれの人生を歩む上で得てきた自分なりのものを真摯に示し、そこで自分はどう思うのか、そして読者はどうかと問いかける。これ以外にどう書けるというのだろうか。具体的なことを示し抽象的なことを問う、これが人生を語る上での良書の要素ではないかと思います。この本はそういう意味で良書です。人は望む望まないにかかわらず生まれてきた、という不条理を皆平等に抱えて生きています。日本に生まれ育った日本人には想像もつかない不条理を背負い、生き抜かねばならない少年の育っていく姿、そしてそれに絡んでくる人たちの姿をみて自分なりに多くを学んだ気がします。
「生きることの意味」という題名をつけるとき、著者はひどく迷ったのではないかと想像します。朴直すぎてあまりにもわざとらしいから。ですが、生きることに悩む人たちにとっては直球で心にぶつかったくるはずです。星の数に惑わされず気になったらぜひ読んで下さい。読んでみて全然心に響かなかったらそれはそれでいいじゃないですか。それが読書なのですから。


